本記事のリンクに広告は含まれません。
LCCの受託手荷物は無料?料金の仕組みと、預けずに済ませる判断
LCCで航空券を取ったあと、「受託手荷物(預け入れ荷物)は別料金」と知って戸惑う方は少なくありません。フルサービスの航空会社なら当たり前に付いてくる無料枠が、LCCでは付いていないことがあるからです。やっかいなのは、その仕組みが会社ごとにバラバラで、「何個まで無料か」という問いの立て方そのものが通じない会社もあることです。しかも規定は変わります。2025年11月25日以降に発券された航空券では、日本〜タイ線を含む一部路線で、2026年3月2日以降に旅行を開始する分から数え方そのものが切り替わりました。このページでは、無料枠の有無・数え方・料金を安くする買い方を整理します。最後に「そもそも預けずに済ませる」という選択肢についても、判断できるところまで書きます。日本の航空会社(JAL・ANA・Peach・Jetstar Japanなど)の重量規定をお探しの方は、受託手荷物は何kgまで?|航空会社別 重量・個数・サイズ早見表をご覧ください。
- LCCの受託手荷物は、最安運賃なら有料が基本(エアアジアは無料枠を持たず、許容量を買う形)。同じアジア路線でも、フルサービスのベトナム航空・タイ国際航空はいずれも無料枠を持つ
- 同じ「23kg」でも意味が違う。個数制(1個あたり23kg)と重量制(合計23kg)があり、タイ国際航空は2025年11月25日以降発券・2026年3月2日以降に旅行を開始する分から個数制へ切り替わった
- 「航空会社ごとに1つの数字」では決まらない。同じ会社でも運賃タイプ・発券日・旅行開始日によって無料枠が変わることがある
- 買うなら予約時が最安(エアアジアは公式に「事前予約が常に最もお得」と明記)。買わないなら、泊数・季節・お土産の3条件がすべて軽いほうのときだけ、機内持ち込みで足りる
LCCの受託手荷物が「有料」なのはなぜか
LCCは、運賃に含めるサービスをできるだけ減らして基本運賃を下げ、必要な人だけが必要なものを買い足す仕組みで運航しています。受託手荷物はその代表格です。座席指定や機内食と同じ扱いで、預ける人だけが料金を払います。
そのため、無料枠は「会社ごとに決まっている」のではなく、選んだ運賃タイプによって決まるのが基本です。エアアジアの場合、バリューパック・プレミアムフレックス・プレミアムフラットベッドといった上位の運賃には既定の受託手荷物許容量が含まれます。それ以外の運賃では自分で買い足すことになります(無料の許容量が適用されるのは、ダッカ行きとインドネシア国内線のQZ便に限られます)。
受託手荷物として30kgを超える枠を購入した場合は、荷物それぞれに追加の要件が設けられます(詳細は公式サイトで確認できます)。
つまり「LCCは受託手荷物が有料」というより、荷物を預けるかどうかを自分で選べる代わりに、選んだ人が払うという設計です。
同じ「23kg」でも意味が違う——個数制と重量制
受託手荷物の無料枠には、個数で決まる方式と重量で決まる方式の2つがあり、数字だけを見比べると間違えます。
- 個数制(ピース制):「1個あたり23kgまでの荷物を2個」のように、個数と1個あたりの重さで決まる
- 重量制(ウェイト制):「合計23kgまでなら何個でも」のように、全部を合わせた重さで決まる
同じ「23kg」という数字でも、個数制で2個なら実質46kg持てますが、重量制なら合計23kgが上限です。倍違うことになります。
どちらが適用されるかは、航空会社と路線の組み合わせで決まります。シンガポール航空は公式に「受託手荷物の許容量は、最終目的地によって重量制か個数制のいずれかに基づく」と説明しており、無料許容量は航空券に表示される方式をとっています。
そして重要なのは、この方式自体が変わることがあるという点です。タイ国際航空は、2025年11月25日以降に発券され、かつ2026年3月2日以降に旅行を開始する航空券から、アジア・オセアニア域内(日本〜タイを含む)を個数制へ切り替えました。
それ以前は重量制で、エコノミーのセーバー/スタンダードは23kg、フレキシー/フルフレックスは30kgという合計重量の枠でした。
去年調べた情報がそのまま使えるとは限らない、というのはこういうことです。すでに古い券を持っている方は、発券日が2025年11月25日以降で、かつ旅行開始日が2026年3月2日以降なら個数制です。どちらか一方でも前なら、従来の重量制のままです。
アジア路線の受託手荷物は何個・何kgまで?
エコノミーは1個23kgが目安ですが、個数制か重量制かで意味が変わるため、この数字だけでは判断できません。同じアジア路線でも、会社によって「無料枠があるか」も「23kgが何を指すか」も違います。LCCのエアアジアと、同じアジア路線で対照になるフルサービス2社(ベトナム航空・タイ国際航空)の実例で見ていきます。
| 航空会社 | 区分 | 数え方 | エコノミーの無料枠 | 1個あたりのサイズ上限 |
|---|---|---|---|---|
| エアアジア | LCC | 購入した重量枠の範囲内で個数は自由 | 無料枠なしが基本(無料が適用されるのはダッカ行きとインドネシア国内線QZ便)。上位運賃には既定量が含まれる | —(公式サイトで確認) |
| ベトナム航空 | フルサービス | 個数制 | ハノイ・ホーチミン〜東京(成田/羽田)=2個(各23kg)(2026年4月29日以降発券分) | 3辺合計158cm以内 |
| タイ国際航空 | フルサービス | 2026年3月2日以降に旅行開始(2025年11月25日以降発券分)=個数制。それ以前は重量制 | 個数制でのエコノミーは1個あたり23kgまで。個数は航空券の表示で確認してください | 3辺合計158cm以内(車輪・ハンドルを含む) |
※規定は変更されることがあります。搭乗前には必ず、利用する航空会社の公式サイトと航空券の表示を確認してください。
この3社で、読者が身構えるべきパターンが見えてきます。ベトナム航空(東京線)のように無料枠が個数で決まるケース、タイ国際航空のように数え方そのものが移行の途中にあるケース、エアアジアのようにそもそも無料枠がないケースです。「LCCは何kgまで無料」という一言では説明できません。同じ会社でも運賃タイプ・発券日・旅行開始日によって条件が変わるため、最後は自分の航空券の表示で確認してください。
表にない航空会社の無料枠はどう調べる?
まずは予約確認メールや航空券(eチケット)の表示を確認してください。多くの場合、そこに無料の受託手荷物許容量が書かれています。
- 予約完了メールやマイページの運賃詳細に、受託手荷物の欄がないか見る
- 見当たらなければ、利用する航空会社の公式サイトのBaggage(手荷物)ページを確認する
- 無料枠は路線・運賃タイプ・発券日によって変わるため、去年の情報や他の人の体験談ではなく、自分の券面の表示を確認する
シンガポール航空は公式に、無料枠は最終目的地によって個数制・重量制のどちらかが適用され、その内容を航空券に表示する方式をとっていると説明しています。一覧表だけを鵜呑みにせず、自分の券面を確認するのが確実です。
料金を最小にする順番:予約時 > 事前のオンライン購入 > 空港カウンター
受託手荷物を買う場合、いつ買うかで金額が変わります。安い順に並べると次のとおりです。
- 航空券の予約と同時に買う——いちばん安い
- 予約後、出発前にオンラインで買い足す——予約時より高くなることがある
- 空港のカウンターで買う——最も高くなる
エアアジアは公式に「受託手荷物の事前予約が常に最もお得です」と明記しています。同社の場合、予約後でも出発予定時刻の2時間前まではオンラインで購入・アップグレードができます。
空港カウンターでも、出発の少なくとも4時間前に購入すれば事前予約の料金が適用されます。逆に言えば、当日ぎりぎりにカウンターへ行くのがいちばん高くつきます。
事前に買った枠を超えてしまった場合は、超過分が1kg単位で課金されます(金額は出発空港によって異なり、支払いは当日空港のチェックイン時のみ)。乗り継ぎ便では、搭乗者ごと・1kgごと・区間ごとに課金されるため、区間の数だけ膨らみます。
なお、家族や友人と同じ予約番号で、同時にチェックインする場合は、許容量を合算して使えることがあります(エアアジアは公式に共有を認めています)。2人で20kgずつ買うより、必要な分をまとめて買ったほうが無駄が出にくいということです。
日本のLCC(Peach・Jetstar Japan・Spring Japan)についても、予約時または事前のWeb購入のほうが当日カウンターより割安になるのが基本です。運賃タイプ別の詳しい金額は、各社の公式サイトで確認できます。
そもそも預けない、という選択
ここまで読んで「けっこう面倒だな」と感じた方へ。荷物を預けなければ、この話は全部なくなります。
機内持ち込みだけで足りるかどうかは、次の3つで判断できます。
- 泊数:1〜2泊か
- 季節:夏、または冬でも荷物を絞り込める旅行か
- お土産:帰りに増える予定がなく、行きの荷物に余裕を残せるか
3つすべてに当てはまるなら、機内持ち込みで足りる可能性が高いです。1つでも外れるなら、預ける前提で予約時に受託手荷物を買っておくほうが、結果的に安く済みます。
3〜4泊以上の旅行や、冬服がかさばる時期、お土産を買って帰る予定がある旅行は、たいてい2つ目・3つ目で外れます。無理に持ち込みを狙うより、最初から枠を買っておくほうが判断が早くなります。
預けるなら、スーツケース本体の重さが「買う金額」に効いてくる
LCCの受託手荷物は、無料でついてくるのではなく枠を買う仕組みです。受託手荷物の重量は、スーツケース本体の重さも含めた総重量で測られるため、本体が重いスーツケースを使うほど、中身のために余分な重量枠を買い足すことになります。
同じことは容量の大きいスーツケースにも当てはまります。大きいスーツケースは本体も重くなる傾向があるうえ、容量に余裕があるぶん詰め込みすぎてしまい、気づかないうちに買った枠を超えていることがあります。
つまり、LCCで預ける前提なら、容量だけでなく本体重量も見て選ぶほうが、追加で買う枠を抑えやすくなります。
よくある質問
- Q. LCCの受託手荷物は、何個まで預けられますか?
- A. 会社によって決まり方が違います。ベトナム航空のような個数制では、無料枠として決められた個数(発券日や航空券の条件によって変わることがあります)が上限です。エアアジアのように購入した重量枠で管理する会社では、購入した許容量の範囲内であれば個数は自由です。「LCCだから何個まで」という共通の答えはありません。
- Q. 買った受託手荷物の枠は返金してもらえますか?
- A. エアアジアの場合、一度購入した手荷物の重量は返金不可と公式に案内されています。買いすぎないよう、必要な重量を見積もってから購入してください。
- Q. ベビーカーや車椅子も有料になりますか?
- A. エアアジアでは、乳幼児・子ども・高齢者・お体の不自由な方が使用するベビーカー、車椅子・移動補助具、松葉杖・歩行器は、受託手荷物として無料で預けられます。
- Q. 数年前に調べた無料枠の情報は、今も使えますか?
- A. そのまま使えるとは限りません。タイ国際航空は、2025年11月25日以降に発券され、かつ2026年3月2日以降に旅行を開始する航空券から、日本〜タイ線を含むアジア域内で重量制から個数制へ切り替えています。予約の前に、航空会社の公式サイトと航空券の表示で確認してください。
関連記事
- 受託手荷物は何kgまで?|航空会社別 重量・個数・サイズ早見表(JAL・ANA・日本のLCCの重量規定はこちら)
- 機内持ち込みスーツケースのサイズ早見表|航空会社別に3辺・重量・個数を比較(預けずに済ませる場合の正確なサイズ規定)
- スーツケースのSSサイズ、結局どれを選ぶ?(1〜2泊で預けずに済ませたい方へ)
- スーツケースのSサイズ、結局どれを選ぶ?(1〜3泊で機内持ち込みできる上限サイズを探している方へ)
- スーツケースのサイズの選び方|泊数で選ぶ診断つき(サイズを決めかねている方へ)
まとめ
LCCの受託手荷物は有料が基本で、無料枠の有無も数え方も会社によって違います。同じ「23kg」でも、個数制なら1個あたり、重量制なら合計を指すため、数字だけを見比べると倍近く読み違えます。
買うと決めたなら、予約と同時に買うのがいちばん安く、当日の空港カウンターがいちばん高くなります。エアアジアのように出発4時間前まで事前料金が適用される会社もあるので、遅くとも空港へ向かう前には手当てしておきたいところです。
そして、泊数・季節・お土産の3つすべてが軽いほうに振れるなら、預けずに機内持ち込みで済ませるのがもっとも確実な節約です。1つでも重いほうに振れるなら、最初から預ける前提で予約時に買っておくほうが、結果的に安く上がります。
規定は変更されることがあるため、搭乗前には必ず各社公式サイトの最新情報を確認してください。本記事の規定情報の最終確認日:2026年9月3日。
本記事内のリンクはすべて通常リンクです(アフィリエイト広告を含みません)。当サイトの一部記事ではアフィリエイトプログラム(もしもアフィリエイト・バリューコマース)を利用しています。